SRMと住之江区長
- 珈琲焙煎作業所 SRM
- 4月2日
- 読了時間: 6分
更新日:4月16日
去る3月24日、住之江作業所に藤井秀明 住之江区長が見学へ来られました。


【ご縁のきっかけ】
瀬戸:この度はご来所いただきありがとうございます。
区長:以前私が出演させていただいたYoutubeチャンネル『すみのえTV』に瀬戸さんも出演されており、“サッカーを教えた子どもの中に引きこもりになった子や重い難病をもった子がいて、何か自分にできることをやりたいと考え福祉の世界にチャレンジした”というお話に関心を持ちました。
▷藤井区長が出演した『すみのえTV』はこちら
▷代表の瀬戸が出演した『すみのえTV』はこちら

【福祉に関して】
瀬戸:実際に作業所をご覧になってどうでしたか?
区長:初めてこうした福祉施設に来させてもらったのですが、利用者の皆さんが行程に対して忠実に作業をされており、障がいとは一つの個性だなと改めて感じました。
私はもともと銀行員をしていましたが、区長になってから当時の知り合いや広島の友人が「実はうちの息子に障がいがあって・・・」などと話をしてくれるようになり、区長とはそういう観点を持って取り組まなければいけないという示唆なのだと思いました。
実はその友人と話している中で「障がい者がいきいきと働く事業モデルを確立し、美味しいパンを作っているパン屋さんがあるんだよ」とか、「障がい者が作ったものを同情では買ってほしくないんだ。本来の品質や味で買ってほしいんだ」ということを聞いたんです。
“あくまでいいものを作る。その作り手にたまたま障がい者が多いだけで、ルーティンワークや細かい作業が得意といった個性を活かして働いているんだ”と。
瀬戸:まさにおっしゃる通りで、家族以外がなかなか手を出しにくいという福祉のイメージを払拭したくて僕はSRMを立ち上げました。
福祉を全面に押し出すというよりは“良いコーヒーを作っている場所”が先であり、そこが“実は福祉施設なんだ”みたいな・・・なのでとても共感できます。
区長:あと『すみのえTV』内で瀬戸さんがこだわりとして述べられていた「作業所に清潔感があって綺麗でカッコイイ!」というこのモノトーンでシックな雰囲気も、さっきの友人の話じゃないですけど「自分の子どもが障がいをもって生まれたとしたらこういうオシャレな環境だと気持ちよく働けているんじゃないかな」と思いました。
瀬戸:とっても嬉しいです、ありがとうございます!!

【リーダー像について】
瀬戸:区長に教えていただきたいことなのですが、役割は違えど利用者さんもスタッフも分け隔てなく共に一つの方向を目指してほしいと僕は考えてます。
たくさんの人が関わる組織の旗振り役として、自分の「想い・心がけ」を一緒に仕事をしてもらう方々へ伝えるため何か大切にされていることってありますか?
区長:僕は部下や職員に対して「あなたに任せてますよ」という空気感を極力つくりたいと思っていて。
ただスピード感は人それぞれなので、例えば自分が時速100kmで走りたいと考えていても任せている人が50kmでしか走れないのであれば、急かすのではなく待つという気持ちを大事にしています。
焦って猛スピードで走らせても車は壊れてしまいますし、「任されてるんだ」と実感を持って長く一緒に走ってもらいたいので。
とはいえ、結果を求めてついつい焦ってしまうこともあるので、そんな時は夜に自宅で反省してます・・・。

【リフレッシュは・・・】
瀬戸:プライベート時間の過ごし方やリフレッシュ方法など楽しみはありますか?
区長:仕事以外の分野でも友人を持つという心がけをしてます。
銀行員時代は銀行員ではない友人と過ごす時間を大切にしていました。
今は役所以外の友人とお酒を飲むことが楽しみの一つです♪
瀬戸:楽しみにはお酒なんですね〜(笑)
区長:お酒ですね〜(笑)
もともと車が好きだったんですけど、区長になってからあんまりハンドルを握らないようにしてるのでそういう意味ではお酒の量が増えちゃいましたね・・・笑
あと私は海や川といった「水のある風景」が好きなんですよ!広島もそうだし。
瀬戸:たしかに橋が多かったり山と海が近い感じって落ち着きますよね、広島市内に帰ると。
区長:プロフィールにも「神戸生まれ広島育ちで海・川・空が私の原風景です」って書いたとおりカヤックとか水の上がすごい落ち着くんです、最近はできてないですけどね。
広島に帰ると実家の父が小さな釣り船を持ってるので、一緒に瀬戸内海で釣りをしたりもします。
瀬戸:瀬戸内海はホントに良いですもんね〜。

【話は戻って福祉やリーダー像のこと】
区長:障がい者との関わり方として先のパン屋さんの記事とかを見ていたんですが、健常者の人を真横にアドバイザーみたいな形で付けちゃうと「見張られている」と映ってしまうそうです。
なので健常者が障がいをもっておられる方々を細かくチェックする行為をやめたところ、自発的に意見が出るようになったとか。
まぁ言うのは簡単でなかなか難しい部分もあるんでしょうけど・・・。
私も自分の想いが本当に伝わってるのか毎日考えますが、まずは「待ってみる」ことを銀行員時代より今は気長にやっているつもりです。
瀬戸:なるほどです、我々もさっそく取り入れてみます。

【区長とコーヒー】
瀬戸:区長は普段コーヒーをどういう風に飲まれますか?
区長:豆を買ってきて家で挽いてから飲むようにしてます。
失敗することも含めて自分の淹れ方で味が変わったり、そのプロセス自体が楽しいです。
現在は単身赴任なので1人で飲む時は美味しく淹れても不味く淹れても誰も文句は言いませんけど、妻にコーヒーを出した時の反応を見るのもまた楽しみの一つですよね。
瀬戸:ちなみにコーヒーの味には人柄が出るそうですよ(笑)
“飲むのが好き”から“淹れて美味しいと言われるのが好き”になるとより一層楽しくなりますよね。
区長:あとコーヒーはなんとなくカッコイイってイメージがあります。
紅茶も好きですし、お茶の持つ機能を高齢者の認知症予防や健康寿命延伸などに役立てるため、昨年12月に株式会社伊藤園さんと住之江区が連携協定を結んだのですが、そのように日本のお茶に対しても興味・関心は高いです。
それでもコーヒーはより手頃で身近な飲みものとして存在してますね。

【今後に期待すること】
瀬戸:住之江区に事業所を構えるコーヒー屋兼福祉施設として、何か区に対してお力になれることがあれば嬉しいです。
区長:そうですね。
子を持つ親という観点で言うと、障がい者と健常者が分け隔てなく働け、保護者も安心して見守れる職場が住之江区に増えるといいなって思います。
銀行員時代は利益や収益ばかり見ることに主眼を置いていましたが、区長になると社会から取り残される人が極力いないまちにしなくては、という想いがあるんです。
まだまだ私も勉強中ではあるもののオシャレで、味で勝負できて、利益と福祉が共存できる会社が増えると素敵ですよね。
瀬戸:日常に寄り添う「コーヒー」というもので皆さんの生活の一部に貢献できるよう努めます!
本日は貴重なお時間ありがとうございました。

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